家の売却時に発生する諸費用とは?できるだけ安く抑える方法も
2022.09.29
こんにちは!不動産売買をサポートする八城地建の岩瀬です。
不動産売却を検討していると、「諸費用」という言葉を耳にする機会が多いと思います。
諸費用とは、不動産を売る際にかかる手数料や税金などさまざまな費用をまとめたもので、売却価格の4〜6%程度かかるといわれています。
では、この「諸費用」の内訳はどうなっているのでしょうか。
今回は不動産売却にかかる諸費用の内訳と、それぞれの費用目安を紹介します。
家の売却時にかかる諸費用をできるだけ安く抑える方法もお伝えしますので、ぜひ参考にしてくださいね。
家の売却時に発生する「諸費用」とは?
まずは、家の売却時に発生する諸費用について「3〜4LDK・30坪・売却価格が3,000万円のケース」を想定し、表で確認してみましょう。
家の売却にかかる諸費用は「必ずかかる費用」と「必要に応じて発生する費用」に分けられます。
なお、今回登記費用として登録免許税についてはこの後ご説明しますが、家の売却時にかかる諸費用には、他にも印紙税・消費税・譲渡所得税などの税金があります。
例えば、売買契約書には印紙税として契約金額に応じた収入印紙を貼る必要があり、売却して利益が出た場合は翌年の確定申告で譲渡所得税の納税が必要です。
税金については「住み替え時にかかる税金すべてをチェック!税金を抑える特例も確認」をチェックしてくださいね。
では、それぞれの項目別にさらに詳しくご紹介していきます。
必ずかかる諸費用
仲介手数料
まずは仲介をしてもらった不動産会社に支払う「仲介手数料」です。
物件情報サイトに情報を載せたり、内覧に立ち会ったりなどの不動産会社の通常業務に対する報酬として発生します。
一般的には売買契約時に50%、引き渡し後に残りの50%を支払います。
仲介手数料の上限については法律で定められているため、この上限を超える額が請求されることはありません。
速算式では以下の計算法で算出します。
- 売却価格が200万円以下の場合:売却価格の5%+消費税
- 売却価格が200万円を超えて400万円以下の場合:売却価格の4%+2万円+消費税
- 売却価格が400万円を超える場合:売却価格の3%+6万円+消費税
なお、八城地建の仲介手数料は「成約価格の3%+6万円+消費税」となっております。
仲介手数料は基本的には成功報酬型のため、売買が契約した場合のみ支払いが発生します。
家が売れなかった場合は支払う必要がなく、複数の不動産会社に売却活動を依頼していた場合でも、売却が成立した業者以外に対しては支払う必要がありません。
しかし、「手付解除」や「違約解除」などで売買契約後に解約となった場合は、仲介手数料は返還されないため注意しましょう。
登記費用(抵当権抹消費用)
登記費用とは、抵当権を抹消するためにかかる費用のことで、抵当権抹消費用とも呼ばれています。
抵当権とは住宅ローンを組むために必要な権利を指し、住宅ローンを完済しない限り売主が自由に物件を売却できないように付けられます。
そのため、住宅ローンを完済している場合、または物件を売却するために住宅ローンの残金を一括返済した場合に、この登記費用が発生します。
抵当権の抹消にかかる費用は、土地や不動産1つにつき1,000円の登録免許税のみですが、司法書士のような専門家に依頼する場合1万〜3万円程度の依頼料もかかります。
抵当権の抹消は非常に重要な手続きのため、不動産に関する知識が豊富な場合を除いて、専門家に依頼するのがおすすめです。
必要に応じて発生する諸費用
引越し費用
マイホームを売却した場合、新しい家に引っ越す費用が必要になる場合がほとんどです。
新しい家を購入する前に今の家を売却する「売り先行」のケースだと、仮住まいの分も合わせて2回分の引越し費用がかかります。
引越し費用は移動距離や荷物の量によって変動しますが、目安としては家族での引っ越しの場合は10万前後〜30万円と考えておきましょう。
また、今の家の家具や家電が不要となる場合、処分費用も別途必要になります。
自治体の粗大ゴミ収集所に持ち込んだり、回収業者に依頼したりするのにも費用がかかるため、事前に調べておきましょう。
不要なものの多さや大きさにもよりますが、だいたい15万〜30万円程度かかります。
家財の処分に費用をかけたくないという場合は、リサイクルショップに持ち込んでみるのもおすすめですよ。
住宅ローンの返済手数料
もとの家を売却する際には住宅ローンを完済し、抵当権を抹消する必要があることは先ほど解説しましたが、住宅ローンを繰り上げて一括で返済するためには返済手数料というものがかかります。
金融機関や返済方法によって異なりますが、だいたい5,000円〜3万円が費用の目安です。
事前に住宅ローンを組んでいる金融機関に確認しましょう。
測量費用
測量費用というのは、売却する土地の境界線や面積を明確に把握するために専門家に依頼して計測してもらう費用のことです。
境界線や面積が明確でない場合に行う必要があります。
測量を行うと購入検討者や買主に正確に情報を伝えられるため、トラブルを防げる・物件が売れやすくなるメリットがあります。
測量費用は30万〜100万円かかることが多いです。
一般的な一戸建て住宅(30〜40坪)で40万円程度と考えておきましょう。
なお、土地を売却するために必要な「確定測量図」と「境界確認書」がすでに手元にあり、正確性・最新性に問題がなければ測量費用はかかりません。
クリーニング費用
売却前に家をきれいにするクリーニング費用も売却の諸費用の1つです。
クリーニング費用の目安は部屋の広さや現在居住中かどうか、マンションか一戸建てかによっても異なりますが、2万〜15万円と考えておきましょう。
2LDK〜3LDKの一戸建てで考えると、5万〜7万円かかるイメージです。
物件をより綺麗に見せたい、少しでも高く売りたいという場合には専門業者にクリーニングを依頼するのがおすすめです。
詳しくは「家の売却時にハウスクリーニングは必要?時期や相場、注意点も確認!」で解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
解体費用
一戸建てを解体して土地のみを売却する場合、建物の解体費用も諸費用に含まれます。
建物の構造別の坪単価の目安をご紹介しますので、参考にしてみてください。
- 木造:3万〜5万円/坪
木造・30坪で考えると、おおよそ90万〜150万円かかるイメージです。
解体費用は、建物の他に物置や車庫、塀、庭木などの撤去も含めると、更に金額が上乗せとなります。
また、現在は石綿(アスベスト)の含有調査が義務付けられているため、この調査費や、石綿が含有していた場合の建材の処分代などが、必要となりますので必ず見積を取るようにしましょう。
家の売却時にかかる諸費用を安く抑える方法は?
上で紹介したように、不動産の売却には多くの諸費用がかかります。
以下の特例や特別控除を使うことで、不動産売却で発生する税金を抑えられます。
- 3,000万円特例控除:マイホームの売却時、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例
- 10年超所有軽減税率の特例:家や土地の所有期間が10年以上で、条件をクリアすれば税率が軽くなるという特例(3,000万円の特別控除の特例と併用可能)
- 特定居住用財産の買換え特例:売却益より高い住宅を購入した場合に売却益に対する譲渡所得税の支払いを先送りできる特例
- 損益通算及び繰越控除:売却の損失と他の所得との間で損益通算ができる
詳しくは「住み替え時にかかる税金すべてをチェック!税金を抑える特例も確認」で解説しています。
ぜひチェックしてくださいね。
家の売却にかかる諸費用を知ってスムーズな計画を立てよう
家や土地を売却する際にかかる「諸費用」。
不動産会社に支払う仲介手数料や抵当権の抹消にかかる費用、引越し費用やクリーニング費用などをまとめた費用のことをいいます。
不動産の売却をスムーズに進めるためには、事前に諸費用がどのくらいかかるかを把握し、計画を立てることが重要です。
また、不動産売却における諸費用の中で、税金に関しては特例や特別控除を利用するなど、必要に応じて活用しましょう。
不動産の売却に不安がある場合は、知識が豊富な地域の不動産会社に相談するのがおすすめです。
札幌市南区・北広島・恵庭エリアで不動産売却について悩んでいる、住み替えに関するヒントを知りたいという場合には、八城地建へお気軽にお問い合わせくださいね。