古い家で寒い原因・対策は?リフォームと買い替えどちらが良い?
2023.04.15
こんにちは!不動産売買をサポートする八城地建の岩瀬です。
古い家に住んでいる方にとって、冬の寒さは悩みの種ですよね。
「窓の近くからすきま風が入ってくる」「足下が寒くて底冷えする」「暖房を入れてもなかなか暖まらない」など、気になる点は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、古い家で暖房を入れてもいつまでも寒い原因や、その解決方法について解説します。
寒さが原因で買い替えやリフォームを考えている方へ、どちらを選ぶべきかというお話もしていきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
古い家が寒い!原因やそのままにするリスク
築年数が浅い新しい家と比較すると、古い家は構造や使われている部材の性能上、さまざまな場所から冷気が室内に入り込みやすく、どうしても寒く感じてしまいます。
まずは古い家が寒い原因や、寒いままで過ごすリスクについてお話ししていきましょう。
古い家が寒い4つの原因
古い家が寒い原因には、主に以下の4つがあります。
- 窓ガラスやサッシの種類
- すきま風が入りやすい構造
- 断熱材が機能していない
- 屋内の空気の流れ
それぞれを詳しく解説していきます。
原因①窓ガラスやサッシの種類
古い家では暖かい空気の大半が窓から逃げてしまう、といわれています。
それは、古い家の窓には薄い単板ガラスとアルミサッシが使われていることが多いからです。
単板ガラスは薄く、外気の冷たさを室内に伝えやすいため、室内で暖房を入れても暖かい空気が窓のそばで一気に冷やされてしまいます。
また、アルミサッシは軽量であることから古い家では良く使われていますが、熱を伝えやすい素材です。
熱伝導率が高い=外気温の影響を受けやすいため、夏は暑く冬は寒くなりやすいことから、寒さが厳しく感じてしまいます。
原因②すきま風が入りやすい構造
昔ながらの工法で造られた家は、すきま風が入りやすい構造になっています。
それは、引き違いになっている扉類が、わずかとはいえ隙間ができる構造になっているからです。
さらに、長い年月の間に建物が歪んだりへこんだりすることで隙間ができ、すきま風が入る原因となることもあります。
隙間は、外の冷気を室内に入れるだけでなく、室内の暖かい空気を外に出してしまうことにもつながります。
原因③断熱材が機能していない
古い家は、断熱材が入っていなかったり、入っていても薄かったりということがあります。
また、断熱材の劣化により剥がれたり、カビが生えたりということが原因で、本来の機能が失われていることもあります。
屋根や床、壁などから、外の冷気が室内に伝わることにより、家全体が暖まりにくく、寒さを感じる原因となるのです。
原因④屋内の空気の流れ
冷たい空気は下に、暖かい空気は上に行くということはよく知られていることです。
この現象を「コールドドラフト現象」と言います。
どんな家にも起こり得る現象ですが、特に窓の断熱性が低い家で起きる傾向があり、古い家では新しい家よりも起こりやすいといえます。
天井付近に暖かい空気がすべて行ってしまうため、過ごす場所に冷えた空気がとどまって、寒いと感じる状態になります。
古い家が寒いことによるリスクは?
「家が古いから仕方がない」と冬の室内の寒さを諦めていると、どのようなリスクがあるのでしょうか。
古い家が寒いことによるリスクについても解説します。
健康な生活に対するリスク
冬場の寒さの中で快適な暮らしを送れないことは想像できますよね。
足の冷えは良い睡眠の妨げになりますし、冷えが長期的になると体調に悪影響を及ぼすこともあります。
また、室内の急激な温度差によって、ヒートショックの危険も高まります。
ヒートショックとは、極端な温度変化によって血圧が急に変わり、脳梗塞・不整脈・心筋梗塞・失神などを引き起こす現象のことで、大変危険です。
家の劣化に対するリスク
寒さの原因が家の劣化である場合、放置することによって家の耐久性や耐震姓にとってリスクとなることがあります。
また、放置するほど劣化が進むため、修繕やリフォームの際に費用が高額になることもあるでしょう。
暖房費など家計に対するリスク
寒い家に対して対策をしないまま暖房を使用しても、室内はなかなか暖かくなりません。
結果的に新たな暖房器具を購入することになったり、暖房に使う光熱費の負担が増えたりなど、家計に対するリスクも考えられます。
特に光熱費は電気代や灯油代の高騰により、家計への負担としては大きくなります。
古い家が寒い場合の対策は?リフォームや買い替えという手も
平成27年に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」が施行され、新築、増築、改築の際には、一定基準以上の省エネ性能が必要となりました。
一定基準以上の省エネ性能とは、冷暖房によるエネルギー消費を最小限に抑えられる家の性能のことで、そのためには季節を問わず、室内で快適に過ごせることが必要です。
経済産業省資源エネルギー庁「住宅による省エネ」でも「省エネルギー住宅=快適な家」と定義し、冬に快適な住まいを作る対策の柱として「断熱」「気密」「換気」の3点をあげています。
なかでも、家を暖かくするためには「断熱」と「気密」が重要。
この2点を高めて寒さをカバーするには、以下の対策が有効です。
外から冷気を遮断する
「断熱」と「気密」の面で必要となるのが、外からの冷気を遮断し、室内に入れないという以下の3つの方法です。
窓からの冷気の流出入を抑える
古い家に使われる薄い単板ガラスを変えずに、冷気を遮断するには、まずカーテンを変えるのが手軽です。
断熱仕様のカーテンを使用するのはもちろん、床までしっかりと届く長さのあるカーテンに変えることで、窓からの冷気を遮断する効果があります。
また、窓ガラスに断熱シートを貼ることも効果的といえるでしょう。
その上で、サッシ部分の隙間をテープなどで埋めるという方法もあります。
窓ガラスとサッシを変える
さらに確実に窓からの冷気を防ぐためには、窓のリフォームが有効です。
断熱性能の高い二重ガラスなどの窓ガラスや、樹脂のサッシに変えることで、寒い家が一気に改善されることが多いです。
壁の中の断熱材を入れ替えるよりも、窓ガラスをペアガラスに変えた方が効果が実感できるとも言われています。
窓のガラス交換だけであれば、3万円程度からの予算で変更することもできますし、条件を満たした窓リフォームであれば「先進的窓リノベ事業」などの補助金も受けられます。
壁や屋根裏に断熱材を入れる
壁や屋根からの冷気が気になる場合は、自分でできる対策はあまり多くありません。
それは、壁に対策するには範囲が非常に広く、屋根には届かないことがほとんどだからです。
普段よく使う部屋のみ、ということであれば、壁との間に間仕切りを使用して冷気を遮断できる可能性はあります。
しかし、壁や屋根の断熱にはリフォームを行うのが一般的です。
壁の中に断熱材を入れることを内断熱、建物の外を覆うことを外断熱といいますが、施工方法や家の大きさによっても費用は大きく変わります。
壁や屋根の断熱性を高めるリフォームを検討する場合は「次世代省エネ建材支援事業」や「住宅エコリフォーム推進事業」といった補助金制度も活用するのが良いでしょう。
室内の温度差をなくす
室内全体を暖かくして快適に過ごすためには、コールドドラフト現象への対策も必要です。
自分でできる方法
室内の空気を循環させて冷暖房の利きを良くするために、サーキュレーターを使用するのはよく知られていますよね。
扇風機やサーキュレーターを暖房器具と組み合わせて使用することで室内全体の空気を混ぜ、暖かい空気が上に溜まってしまうことを防げます。
また、足元の寒さを解消するために、ホットカーペットなどを使用するのも良いでしょう。
エアコンやストーブなどの暖房器具と上手に組み合わせることで、エネルギー消費を抑えて均等に暖かな部屋を目指せます。
リフォームで解決する方法
自分でできる対策を行った上で、まだ寒さが解消しない場合は、リフォームを検討するのもひとつの方法です。
室内の空気を循環させるためにできるリフォームとしては、床下の断熱リフォームや全館空調システムの導入などがあげられます。
ただし、リフォームとしては大がかりになり、費用や日数も大きくなることが予想できるため、実際には家の買い替えも含めて検討する方が良い場合もあります。
リフォームか買い替えかどちらが良いか、という判断方法については次で詳しくご紹介します!
古い家が寒いならリフォーム・買い替えどちらが良い?
自分でできる範囲で古い家の寒さが解消しない場合、リフォームを検討することになりますが、リフォームの規模や費用によっては家を買い替えた方が良い場合もあります。
ここでは、リフォームと買い替えのどちらが良いか、判断基準やそれぞれのメリット・デメリットについてご紹介しますので、参考にしてくださいね。
買い替えとリフォーム、どちらを選ぶ?
買い替えとリフォームのどちらが良いかという判断については正解はありません。
それは、現在の状況と未来の予測が、それぞれの家庭によって違うからです。
現在の状況とは、家の状態や立地条件のこと。
昭和56年に制定された新耐震基準により、それ以前に建築された建物については、リフォームの際に、かなり大がかりな耐震工事が必要となります。
立地条件によっては、同じ場所に建て替えできない場合もあります。
そのため、昭和56年以前に建てられた家であれば、耐震基準を満たしていないことが多いため、買い替えや建て替えを行う方が安心でしょう。
また、家族構成の変化や老後の暮らしを予測することも判断のポイントになります。
今住んでいる家にあと何年ぐらい住む予定なのか、子どもが大きくなった時のことや親の同居や介護についても、検討が必要です。
今後も長く住み続ける確証がない場合は、リフォームにとどめるという選択をする方が多いです。
買い替えが良いか、リフォームが良いかという判断は、一緒に住む家族の状況や、これからご紹介するそれぞれのメリット・デメリットも照らし合わせてから決めるのが望ましいでしょう。
家の買い替えについて、さらに詳しくは「住みながら家を売るメリット・リスクを解説!空き家で売却との比較も」のコラムも参考にしてください。
それでも迷う場合は、不動産会社に相談してみてくださいね。
リフォームをするメリット・デメリットは?
リフォームの最大のメリットは、住み慣れた家・場所に住み続けることができる点です。
お子さんがいるご家庭であれば転園・転校の必要がなかったり、仕事先が遠くなるといった心配がないため、周辺の環境などを含め、生活スタイルを大きく変える必要がないことは大きなメリットでしょう。
さらに、一部のリフォームであれば金額も抑えられますし、条件を満たせば補助金も活用できます。
リフォームのデメリットは、古く寒い家の場合は特に、性能向上のために大がかりなリフォームが必要となることです。
大がかりなリフォームの場合は、新しく買い替えるのと変わらない費用になる可能性もあります。
既存の部分を残すため、寿命が短いという点もデメリットでしょう。
買い替えをするメリット・デメリットは?
新しく家を買い替えることのメリットは、住宅の性能を始め、間取りから広さまで、今まで不便だったところも合わせて改善できる点です。
今の新築住宅は、断熱性能をはじめ、耐震性が高くバリアフリーなどが基本性能として揃っていることが多いですし、その点を強化することができます。
冬の寒さが解消されるだけでなく、性能が上がることによって、電気代やガス代などの維持費が低くなる可能性もあるでしょう。
買い替えのデメリットは、家を新しく購入することに大きな費用がかかる点、新しい生活に慣れるまでに時間がかかる点です。
買い替えには、家の購入代金だけでなく、手数料や登記料などもかかります。
また、引越し代金や、引越しまでの仮住まいのコストなども予算に入れなければなりません。
古い家の売却について、さらに詳しくは「古い家を売る方法をご紹介!高く売るためのポイントや注意点も」も参考にしてくださいね。
古い家が寒い場合は早めに対策を!買い替え・リフォームも視野に
古い家の寒さの主な原因は、窓ガラスやサッシの種類、すきま風が入りやすい構造、断熱材の劣化、室内の空気の流れです。
この原因を放置すると、光熱費がかさみ、家がさらに劣化するだけでなく、健康的な生活への悪影響も懸念されます。
古い家で冬の寒さを解消するためには、カーテンを変えたり、窓に断熱シートを貼ったりする方法のほか、サーキュレーターと暖房器具を組み合わせるなどの方法もあります。
それでも解消しない場合は、リフォームを検討するのが良いでしょう。
ただし古い家の場合、リフォームが大がかりになる可能性もあり、費用もかさむ傾向があります。
費用によっては、買い替えを検討した方が良い場合もありますので、家の状態や今後のライフスタイルによって、しっかり検討して決めましょう。
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