COLUMN不動産売却コラム

相続した不動産を売却する際に支払う税金は?節税方法もチェック!

2024.01.15

こんにちは!不動産売買をサポートする八城地建の宮下です。

 

相続した不動産の売却を検討している方にとって、売却にかかる費用は気になるところですよね。

 

今回は「かかる税金の種類や金額を知りたい」「節税につながる方法はないのか」と考える方に向けて、相続した不動産売却に関わる税金について解説します。

 

かかる税金ごとの計算方法や、節税につながる主な特例制度、特別控除などを紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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相続した不動産を売却する際にかかる税金を解説

まずは、相続した不動産を売却する際にかかる代表的な税金をご紹介します。

 

相続した不動産を売却する際にかかる税金は、主に次の2つです。

  • 印紙税
  • 譲渡所得税

 

このほか、不動産会社に仲介を依頼した際に仲介手数料に対して消費税がかかります。

 

印紙税:不動産売買契約書作成時にかかる税金

印紙税は、不動産売買の契約書を作成するときにかかる税金です。

契約金額に応じて全額が増える仕組みになっています。

 

なお、平成26年4月1日から令和6年3月31日までの期間については軽減措置が適用になります。

 

軽減措置も踏まえて、印紙税の金額についてまとめたものが以下の表です。

 

契約金額 印紙代 軽減措置後の印紙代
10万円以下 200円 200円
10万円を超え50万円以下 400円 200円
50万円を超え100万円以下 1,000円 500円
100万円を超え500万円以下 2,000円 1,000円
500万円を超え1千万円以下 10,000円 5,000円
1千万円を超え5千万円以下 20,000円 10,000円
5千万円を超え1億円以下 60,000円 30,000円
1億円を超え5億円以下 100,000円 60,000円
5億円を超え10億円以下 200,000円 160,000円
10億円を超え50億円以下 400,000円 320,000円
50億円を超えるもの 600,000円 480,000円

 

※2024年1月現在

 

印紙税は、郵便局などで収入印紙を購入して契約書に貼ります。

消印することで納税したことになり、その他の手続きは必要ありません。

 

譲渡所得税:不動産売却の利益にかかる税金

譲渡所得税は不動産を売却して、利益が出た際にかかる税金です。

売却した翌年の確定申告で納税する必要があります。

 

譲渡所得税の計算式は次の通りです。

 

「①収入金額」-「(②取得費+③譲渡費用)」-「④特別控除額」=「課税譲渡所得金額」

 

譲渡所得税は、この課税譲渡所得金額に対して一定の税率をかけて算出します。

 

①の収入金額は不動産を売却して得た収入のことです。

 

ただし、1つ注意点があります。

固定資産税はその年の1月1日に所有している人が1年分全額を負担するため、例えば1月1日に不動産を持っている方が5月に売却をした場合、買主が負担する分も売主が支払うことになります。

 

その分の固定資産税を買主からもらうことになるのですが、もらった金額も収入金額に含めなければなりません。

 

また、金銭の代わりに物や権利などを買主から受け取った場合も含めます。

 

②の取得費には、土地の購入代金や建物の建築代金、購入手数料や設備、リフォーム費用などが含まれます。

ただし、購入したときの代金がわからない場合は、収入金額の5%を取得費として計算します。

 

購入した時期が何十年も前だったりすると、購入時の売買契約書など購入価格を証明する書類が紛失し不明な場合がありますので、注意が必要です。

 

③の譲渡費用は土地や建物の売却のために直接かかった費用のことです。

仲介手数料や印紙税、取り壊し費用などが含まれます。

 

④の特別控除額は、不動産の売却に関連して、一定の要件を満たした時に、差し引かれる控除額のことです。

特別控除の内容については、次の章で詳しく解説します。

 

譲渡所得税にかける税率は不動産の所有期間によって異なり、所有期間が5年を超える不動産の売却は長期譲渡所得、5年以下の場合は短期譲渡所得として計算します。

 

なお、それぞれの税率は次の通りです。

※復興特別所得税の2.1%相当が上乗せされています

  • 長期譲渡所得:20.315%(所得税15.315%/住民税5%)
  • 短期譲渡所得:39.63%(所得税30.63%/住民税9%)

 

 

相続不動産の売却にかかる税金を節税する方法

次に、相続不動産を売却するときに利用できる特別控除や特例制度について、代表的なものを3つ、ご紹介します。

  • 取得費加算の特例
  • 居住用財産を譲渡した場合の3000万円控除
  • 低未利用土地等を譲渡した場合の100万円控除

 

また、特別控除・特例制度を使う場合の注意点についてもお話しします。

 

相続不動産の売却で利用できる特別控除・特例制度

それぞれの概要をお伝えしますが、今後変更になる可能性もあるため、細かい要件についてや最新の情報については詳しくは国税庁のホームページもチェックしてみてくださいね。

 

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

相続した不動産を3年以内に売却すると「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」が適用されます。

取得費加算の金額の算出方法は複雑になるため、実際どのぐらいの金額になるかは、税理士など専門家に確認するのが良いでしょう。

 

取得費が加算されることで課税の対象となる譲渡所得金額が小さくなるため、譲渡所得税が抑えられます。

 

なお、特例を適用できる条件は次の通りです。

  • 相続や寄贈によって財産を取得した者(相続人)であること
  • 相続人に相続税が課税されていること
  • 相続税の申告期限の翌日から3年以内に売却していること

 

居住用財産を譲渡した場合の3000万円控除

被相続人、または相続人が居住用に所有していた不動産を売却する場合は、譲渡所得から最高3000万円の特別控除が適用になります。

 

この特別控除は、次の2つがあります。

  1. マイホームを売ったときの特例
  2. 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

 

「マイホームを売却したときの特例」は、直前まで住んでいた家、もしくは住まなくなってから3年経過する年の12月31日までの間に売却する、という要件があります。

 

「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」の主な要件は次のようなものです。

  • 建物が昭和56年(19981年)5月31日以前に建築されていること
  • マンションなど区分所有建物ではないこと
  • 売却金額が1億円以下であること
  • 相続開始があった日から3年経過する年の12月31日までに売却すること
  • 耐震基準に適合していること

 

ただし、令和6年1月1日以降に売却する不動産については、相続人が3人以上いる場合、1人当たり最高で2000万円の控除額になります。

 

低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除

低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除」は、個人が都市計画区域内にある一定の低未利用土地などを売却した場合に100万円が控除される制度です。

周辺と比較して利用しにくい土地の売却を促進する目的で行われています。

 

期間は、令和2年7月1日~令和7年12月31日までで、その期間内に売却した土地について適用の可能性があります。

 

この制度を利用するためには、以下のような要件があります。

  • 所有期間が5年以上であること
  • 売却金額が500万円以下であること、ただし市街化区域など一定の場所では800万円以下であること

 

特別控除・特例制度を使う場合の注意点

特例制度は、それぞれの制度に細かい要件が決まっている点に注意が必要です。

 

また、ここで紹介したものの他にも、区画整理事業に関連する土地の売却や農地等の売却の場合に特別控除が適用になる場合もあります。

 

不動産の売却を検討する場合には、適用できる制度がないか、不動産会社にも相談してみるのが良いでしょう。

 

また、各制度について併用できるものとできないものがある点にも注意が必要です。

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相続不動産の売却について税金以外の注意点もチェック!

ここでは、相続する不動産を売却する際に注意しなければならない点について解説します。

 

特に注意が必要なのは、次の3つです。

 

確定申告での注意点:利益にかかわらず申告を

不動産を売却したことで利益が出た場合、確定申告をする必要があります。

 

確定申告の時期は、翌年の2月中旬から3月中旬です。

 

確定申告することで、控除や特例が適用されます。

確定申告せずに控除が受けられないと、通常より多い額を納税しなければならないので注意が必要です。

 

また、確定申告しないと納税できず、あとから延滞税や重加算税が課されることになるので、確実に行いましょう。

 

なお、利益が出なかった場合は、確定申告しなくても問題ありません。

ただし、給与所得や事業所得と不動産売却の損失を精算して、所得税を減らせる可能性があるので、利益にかかわらず申告することをおすすめします。

 

相続登記の注意点:怠ると罰則も

令和6年(2024年)4月1日から、相続した不動産を登記することが義務化されます。

この制度は、相続を繰り返すことで所有者不明になってしまった不動産が、全国的に増えていることを解決するために制定されました。

 

相続登記は、不動産を管理する法務局へ申請が必要です。

正当な理由無く登記を怠ると10万円以下のペナルティが課されるので、不動産の相続が発生した際には必ず行いましょう。

 

長期保有に関する注意点:長く保有するとコスト増に

相続した不動産は、長期保有することで特例制度以外にも、さまざまなコストが増えることにつながります。

 

例えば、不動産を保有しているだけで、固定資産税などの税金が毎年発生することになるでしょう。

 

空き家の固定資産税については特に注意が必要です。

空き家の固定資産税が6倍になるのはいつから?法改正で対象が増える!」でも解説していますので、あわせて参考にしてくださいね。

 

その他、家屋や土地の管理には、メンテナンス費用だけでなく、時間や手間もかかることになります。

 

居住用として利用しないのであれば、売却や活用を早めに検討するのがおすすめです。

 

 

相続した不動産を売却するなら、できれば3年以内に!

相続した不動産を売却する際にかかる主な税金は印紙税、譲渡所得税です。

売買で不動産仲介を依頼した場合は、仲介手数料に消費税もかかります。

 

譲渡所得税については、特例制度や特別控除を利用して課税額を抑えられるので、積極的に活用すると良いでしょう。

 

特例制度や特別控除は相続開始から3年以内という期限がついているものがほとんどです。

制度以外にも、居住しないまま長期保有することは、メンテナンスや税金などのコスト増につながります。

 

相続した不動産を居住用として使用しない場合は、できるだけ早いタイミングで売却や活用を検討しましょう。

 

札幌市南区、北広島市、恵庭市で不動産の売却を検討している方は、八城地建までお気軽にご相談ください。

ご相談は無料で承っています。

 

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