COLUMN不動産売却コラム

マイホーム売却の際に節税するための特例は?詳細や要件を詳しく解説

2024.08.01

こんにちは!不動産売買をサポートする八城地建の酒井です。

 

マイホームの売却を考えている方にとって気になる税金の問題。

実は、適切な対策を取ることで税負担を抑えられる可能性があります。

 

マイホームの売却時には3,000万円の控除や税率軽減、さらには譲渡損失の活用まで、さまざまな特例が用意されているのです。

 

そこで今回は、マイホーム売却時に活用できる特例について解説します。

将来的にマイホームの売却を検討している方は、ぜひ参考にしてくださいね。

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マイホームの売却時にかかる税金とは?

特例について説明する前に、まずはマイホーム売却時にかかる税金について確認しておきましょう。

 

マイホームの売却時にかかる税金と節税できるもの

マイホームの売却時にかかる税金は以下の5つです。

  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 所得税
  • 住民税
  • 復興特別所得税

 

印紙税は売買契約書の作成にかかる必須の税金で、買主・売主双方で折半して支払うケースがほとんどですが、登録免許税は買主の支払いになることが多いです。

 

所得税・住民税・復興特別所得税については、譲渡所得がある(売却して利益が出た)場合にのみかかります。

これを「譲渡所得税」と呼びます。

 

所得税・住民税・復興特別所得税は条件に当てはまれば節税可能です。

 

また、マイホームを売却をして損失が出た場合には、損失を他の所得から差し引ける特例もあります。

 

「譲渡所得」の出し方とは?

売却した際に出る利益=譲渡所得の計算式は以下のとおりです。

 

「譲渡所得」=「譲渡価額」-「取得費」-「譲渡費用」

 

譲渡価額は売却価額、取得費は土地の購入額または建物の購入額から減価償却費を控除した額です。

譲渡費用には仲介手数料、印紙税、測量費など売却に関わる費用が含まれます。

 

減価償却は建物の価値を毎年減少させる会計手続きであるため、売却時の取得費は購入時より少なくなります。

 

売却価格が取得費より高くなれば譲渡益、低ければ譲渡損失が発生します。

 

マイホーム売却時の譲渡所得にかかる税金の目安

マイホーム売却時の税金は、譲渡所得に税率を乗じて計算され、その税率は譲渡年の1月1日時点での所有期間により決定されます。

 

所有期間と税率の関係は、次のとおりです。

  • 所有期間5年以下の短期譲渡所得:所得税30%、住民税9%
  • 所有期間5年超の長期譲渡所得:所得税15%、住民税5%

 

この税率に対して、令和19年(2037年)までは所得税に2.1%をかけた金額が、復興特別所得税も加算されます。

 

相続で不動産を引き継いだ場合は、被相続人の所有期間も引き継がれます。

 

なお、家を売却する際にはさまざまな諸費用も発生します。

諸費用もできるだけ抑えることで金銭的な負担を軽減できるので、下記のコラムもチェックしてみてくださいね!

 

家の売却時に発生する諸費用とは?できるだけ安く抑える方法も

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マイホームの売却時にかかる税金を節税!使える特例をご紹介

節税対策

ここからはマイホームの定義や特例を受ける際の注意点、マイホームの売却時に活用できる特例について詳しく解説します!

 

マイホームの定義と特例を受ける際の注意点

まず前提として、マイホームは税法上「居住用財産」として定義されます。

 

これには現在居住している家屋とその敷地、転居後3年以内に譲渡する物件(貸付や事業用途でも適用可)が含まれます。

災害で滅失してしまった場合でも、3年以内であればその敷地は居住用財産です。

 

転居後に家屋を取り壊した場合は、取り壊した日から1年以内、または住まなくなってから3年以内の譲渡が対象となります。

 

ただし、取り壊し後に敷地を貸付や事業用に使用すると適用外となりますので注意しましょう。

 

また、特例を適用する場合には確定申告が必要です。

 

譲渡所得が発生した場合は確定申告が必要ですが、譲渡損失がある場合は原則として確定申告の必要がありません。

しかし、特例を利用する際には申告が必要となるため注意しましょう。

 

譲渡所得が出た場合に節税につながる特例

譲渡所得が出た場合に、税金を抑えられる3つの特例をご紹介します。

 

マイホームを売ったときの特例

この特例では、譲渡所得から3,000万円を控除できます。

 

要件に当てはまる事例が比較的多く、利用しやすい特例といえるでしょう。

 

所有期間にかかわらず適用可能で、譲渡所得が3,000万円以下なら無税となります。

 

また、次でご紹介するマイホームを売ったときの軽減税率の特例(10年超所有軽減税率の特例)と併用可能です。

 

マイホームを売ったときの軽減税率の特例

3,000万円特別控除後の譲渡所得に適用される税率を軽減する特例です。

 

「10年超所有軽減税率の特例」とも呼ばれており、所有期間10年超の居住用財産が対象で、3,000万円の控除ができるマイホームを売ったときの特例と併用可能です。

 

譲渡所得によって税率が次のように異なります。

  • 譲渡所得6,000万円以下:所得税10%
  • 譲渡所得6,000万円超:6000万円を超える部分に対して所得税15%+600万円

 

なお、令和19年(2037年)までは復興特別所得税2.1%も追加されます。

 

特定のマイホームを買い換えたときの特例

マイホームを売却して新居を購入した際に、売却した金額よりも新居の購入額の方が大きい場合は課税が先延ばしになる特例です。

 

課税の完全免除ではなく、将来的に新居を売却した際に、新旧の譲渡益を加算した額に対して課税がされます。

 

ただし、譲渡資産と買換資産にはそれぞれ要件があり、所有期間や面積などの条件を満たす必要があります。

 

「3,000万円の特別控除+10年超軽減税率の併用」と比較し、自分の状況にあうものを選ぶのが良いでしょう。

 

譲渡損失が出た場合に税金の還付を受けられる特例

マイホーム売却時に譲渡損失が出た場合にも、税金の還付を受けられる特例があります。

 

これらの特例は、一定の条件下で譲渡損失を他の所得と相殺したり、将来の所得から控除したりできます。

 

マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

この特例は、居住用財産の買い換え時に発生した譲渡損失を他の所得と相殺し、最大3年間繰り越して控除できる制度です。

 

譲渡損失を給与所得等と損益通算することで、源泉徴収税額の還付を受けられる可能性があります。

 

譲渡資産は所有期間が5年を超える自己居住用の家屋またはその敷地で、2023年12月31日までに譲渡されたものが対象です。

また、買い換えた資産は50㎡以上の居住用家屋またはその敷地で、譲渡の前年から翌年までに取得し、翌年末までに居住する必要があります。

 

繰越控除を受ける年の12月31日時点で、買換資産に係る10年以上の住宅ローンを有していることも条件です。

 

特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

この特例は、買い換えを条件としない点が前述の特例と異なります。

主にオーバーローン(住宅ローン残高が売却価額を上回る状態)の場合に有効です。

 

この特例を利用することで、オーバーローンによる譲渡損失を他の所得と相殺し、最大3年間繰り越して控除できます。

 

2023年12月31日までの間に譲渡された所有期間5年超の居住用財産が対象で、譲渡時に住宅ローンが残っていること、各年の合計所得金額が3,000万円以下であること、譲渡先が特別な関係者でないことなどが要件です。

 

繰越控除限度額は「住宅ローンの残高-譲渡価額」で計算されるオーバーローンの額となります。

 

 

マイホーム売却時には特例を上手に活用して節税しよう

マイホーム売却時の節税対策には、さまざまな特例が用意されています。

 

3,000万円特別控除や10年超所有軽減税率の特例では、譲渡益に対する課税を軽減できますし、買い換え時には課税繰り延べの特例も利用可能です。

 

また、譲渡損失が発生した場合には、損益通算や繰越控除の特例も活用できます。

 

これらの特例は条件や併用制限があるため、自身の状況に応じて最適な選択が必要です。

また、確定申告が必要なことも覚えておきましょう。

 

「どのように併用できるのか」「自分は適用できるのか」など不安に思うことがある場合は、不動産の専門家に相談することをおすすめします。

 

八城地建では、マイホームの売却に関するさまざまなご相談を承っています!

 

札幌市南区、北広島市、恵庭市で不動産の売却を検討されている方は、八城地建までお気軽にご相談くださいね。

ご相談は無料で承っています。

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