抵当権の付いた不動産は売却可能?家の抵当権を抹消する方法もご紹介
2022.02.28
こんにちは!不動産売買をサポートする八城地建の岩瀬です。
不動産を売りたいと考える人の中には、「家が抵当権付きなので売れるか不安」という方も多いかと思います。
実際に、抵当権の付いた不動産は売却できるのでしょうか。
また、家の抵当権を抹消したい場合は、どのような手続きが必要なのでしょうか。
今回は、抵当権付きの不動産の売却に関して解説するとともに、抵当権の抹消方法をご紹介します。
抵当権付きの不動産を売却したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
抵当権とは?根抵当権との違いもご紹介
そもそも「抵当権」とは何なのでしょうか。
抵当権とは、家の購入者が住宅ローンを払えなくなった際の担保として、お金を貸した側が設定する権利のことです。
家のローンを組む際に設定され、住宅ローンの返済が滞った際には抵当権者である金融機関などによって、その家は競売にかけられることが一般的です。
抵当権が行使されると不動産は差し押さえられ、出ていかなければいけません。
根抵当権との違い
抵当権とよく似た用語で「根抵当権」というものがありますが、内容は異なります。
住宅ローンのような抵当権付きの不動産は「いつまでにいくら返済するか」が決まっていますが、「根抵当権」の場合は借入れと返済を何度でも繰り返すことが可能です。
また、抵当権の場合は連帯債務者を付けることができますが、「根抵当権」の場合は連帯債務者を付けられないという点でも異なります。
一般的に「根抵当権」は経営者や会社が持っている不動産に設定されることが多いため、一般的な不動産購入では関係ないことがほとんどです。
抵当権の付いた不動産でも売却は可能!注意点は?
では、抵当権付きの不動産でも売却は可能なのでしょうか。
結論から言うと、抵当権の付いた不動産でも売却は可能です。
「抵当権を抹消してから売却」と「任意売却」の2つの売却方法に関して、注意点も交えながら解説していきましょう。
抵当権を抹消してから売却
抵当権付きの不動産を売却する際には、抵当権を抹消してから売却することが理想です。
抵当権が付いたまま売却すると、その不動産は「金融機関によっていつ競売にかけられてしまうかわからない不動産」となってしまいます。
そんな住宅は積極的に購入したいとは思いませんよね。
また、抵当権を抹消するためには、住宅ローンを完済することが必須条件です。
返済中の家を売る方法については「住宅ローンを返済中の家を売る方法を詳しく!完済の方法やオーバーローンの場合とは」で解説していますので、参考にしてください。
抵当権の抹消方法は後ほどご紹介しますので、スムーズに売却したいと考えている方はチェックしておきましょう。
任意売却
金融機関と話し合いを行なった上で抵当権を抹消してもらい、第三者に売却する「任意売却」という方法もあります。
通常、住宅ローンの返済ができなくなってしまった場合には不動産が競売にかけられ、強制的に売られることになります。
しかし、競売だと市場で売買されるよりも安い金額で売却されてしまうことが多く、家の所有者・金融機関双方にとってデメリットが多いです。
一方「任意売却」は、金融機関と話し合った上で市場価格に近い値段で売却することが可能です。
ただし、一見「任意売却」は最適な方法に見えますが「売却が成立しない可能性がある」「ブラックリストに載る恐れがある」などの問題もあります。
また、そもそも任意売却を認めてくれない可能性もあるので注意が必要です。
あくまで住宅ローンの返済が困難になってしまった救済措置として覚えておきましょう。
不動産の抵当権を抹消するには?手続き方法をチェック!
住宅の売却をスムーズに進めるためには、抵当権を抹消する必要があることを解説しましたが、抵当権は住宅ローンを完済したからといって自動的に抹消されるものではありません。
必ず手続きが必要ですので、注意してください。
手続き方法の流れは以下のとおりです。
- 抵当権の抹消に必要な書類を用意する
- 管轄の法務局に書類を提出する
それでは、詳しい手続き方法について見ていきましょう。
①抵当権の抹消に必要な書類を用意する
住宅ローンを完済すると、お金を借りていた金融機関から抵当権抹消に必要な下記の書類が送られてきます。
手続きに必要な書類ですので、紛失しないようしっかり保管しておきましょう。
- 弁済証書(住宅ローン完済を証明する書類)
- 登記済証もしくは登記識別情報
- 登記事項証明書
- 代理権限証明情報(委任状)
②管轄の法務局に書類を提出する
上の書類が用意できたら、管轄の法務局で手続きをすることができます。
抵当権抹消登記の登録にかかる登録免許税(物件や土地1つにつき1,000円)や印鑑も必要なので、忘れないようにしてください。
法務局で「抵当権抹消登記申請書類」を受け取り、記入します。
用意した書類とあわせて法務局に提出し、登録免許税を支払えば手続きは完了です。
手続きは郵送でも可能ですが、窓口であれば間違いがないか担当者が確認してくれるので、不安な方は窓口での手続きがおすすめです。
相続した不動産に抵当権が付いていたらどうする?
相続した不動産に抵当権が付いていたというケースも、中にはあります。
その場合の注意点や相続放棄についても解説します。
抵当権付きの不動産でも相続税は課税される
抵当権付きの不動産は消極財産に当たりますが、それを相続した場合でも相続税は課税されます。
さらに、相続税は相続人全員で返済の義務を負うことが法律で定められています。
そのような場合には金融機関と話し合い、不動産を相続した人だけに返済義務を変更することが可能です。
相続放棄をすることも可能
抵当権付きの不動産を相続した場合、通常は残っている住宅ローンを完済して抵当権の抹消手続きをする必要があります。
しかし、相続することで負債が多くなり、マイナスになってしまう場合には「相続放棄」をすることができます。
相続放棄をするためには「相続することを知った日から3カ月以内」に手続きをする必要があるので注意が必要です。
ただし、すべての相続財産(遺産)を相続できなくなること、一度相続放棄をすると原則として撤回や取り消しはできないことも覚えておきましょう。
抵当権付きの不動産も売却は可能!抵当権を抹消してから売却を
住宅ローンを契約する際、多くの場合は家の購入者が住宅ローンを払えなくなった際の担保として、お金を貸した側が「抵当権」を設定します。
そんな抵当権付きの不動産でも、住宅ローンを完済していれば売却することは可能です。
スムーズに売却を進めるために、抵当権を抹消してから売却しましょう。
売却金額が住宅ローンの残債を上回り、売却資金を持って一括完済ができるのであれば、抵当権を抹消する前から売却活動も可能です。
この場合は、契約締結後、買主側より残代金の受領と同日に、住宅ローンの完済と抵当権抹消を行うことが条件となります。
もしも売却資金よりも住宅ローン残高が上回るオーバーローンの場合、金融機関と話し合いを行なった上で抵当権を抹消してもらい、第三者に売却する「任意売却」という方法もあります。
抵当権を抹消するためには、住宅ローンを完済した際に金融機関から送られてくる必要書類と抵当権抹消登記申請書類を管轄の法務局に提出する必要があります。
相続した不動産に抵当権が付いていた場合には、相続放棄することも可能なので、相続時に住宅ローンの残りの返済額についてきちんと確認するようにしましょう。
八城地建では、札幌市南区・北広島・恵庭の不動産売却の際の手続きをサポートしています。
該当する地域での不動産に関するお悩みをお持ちの際は、ぜひ一度ご相談ください!