不動産売買は個人間で可能?メリット・デメリット、流れなどを詳しく!
2023.01.25
こんにちは!不動産売買をサポートする八城地建の宮下です。
不動産を売買する際、不動産会社に仲介を依頼して行うのが一般的です。
しかし、「不動産売買は不動産会社に仲介をしてもらわなくてはいけない」という決まりは特になく、個人間で取引しても問題はありません。
そこで今回は、不動産売買の個人間での取引についてのお話です。
個人間での不動産売買のメリット・デメリットや流れ、必要書類、注意点などを詳しく解説します。
不動産売買を個人間で行うことは可能?
不動産を売買する場合、一般的には不動産会社に仲介を依頼して行います。
不動産会社が仲介に入ることで、売買に関するさまざまな手続きをサポートしてくれますが、不動産売買には不動産会社が仲介に入らなくてはいけないという決まりがあるわけではありません。
そのため、不動産売買を個人間で行うのは可能です。
しかし、不動産を個人間で売買するということは、不動産会社などプロのサポートを受けることなく、すべての手続きを自分で行わなくてはいけないということ。決して簡単な作業ではありません。
買主・売主探しをはじめ、多数の必要書類の作成や手続きを、一つひとつ調べながら自分で進めていかなければなりません。
親子間や相続の関係などで親族で不動産の売買を行う際など、取引相手が決まっている場合は、個人間で売買取引を行うというケースも多いです。
不動産の親子間売買については、「不動産の親子間売買はどう行う?流れや価格、税金や注意点などを解説!」でもご紹介していますので、あわせてご覧ください。
個人間での不動産売買のメリット・デメリットは?仲介との比較も
不動産売買を個人間で行う場合のメリットとデメリットについて、不動産会社に仲介を依頼する場合との違いもあわせて見ていきましょう。
個人間で不動産売買をするメリット
まずはメリットについてご紹介します。
メリット1:仲介手数料がかからない
不動産会社の仲介が不要な個人間取引は、仲介手数料が発生しないという点が一番のメリットといえるでしょう。
不動産会社に仲介を依頼する場合は、400万円を超える部分は売買価格の3%までと決まっており、最大で売買価格の3%+6万円(速算式)の仲介手数料が発生します。
さらに、この金額に消費税が課税されます。
メリット2:スケジュールが調整しやすい
不動産会社に仲介を依頼する場合は、売買する人同士のスケジュールを調整して、内見、契約や引き渡し、契約などさまざまな手続きを進める必要があります。
しかし、個人間売買でかつ親族同士など売主と買主が確定している場合は、不動産会社の仲介にくらべてスケジュールを合わせやすいというメリットがあります。
個人間で不動産売買をするデメリット
個人間売買では、いくつかのデメリットもあります。
こちらもあわせて確認しておきましょう。
デメリット1:住宅ローンの利用が難しい
不動産を購入する場合、多くの方が住宅ローンを利用するでしょう。
しかし、不動産会社に仲介を依頼する場合と違い、不動産売買の個人間取引では、住宅ローンの審査が非常に厳しくなります。
さらに、住宅ローンを組む際には宅地建物取引士による説明が必要な重要事項説明書の提出が必要となるケースがほとんどのため、そもそも個人間売買では住宅ローンを申し込むことができない可能性もあります。
デメリット2:トラブルが多い
不動産会社などが不動産売買を行う仲介は、手続きや契約を行うだけでなく、当事者同士の言い分や認識のずれなどを調整し、スムーズに売買を進めるという交渉役の役割があります。
そのため、仲介役のプロがいない個人間売買の場合、なにかトラブルが起きたとしても、自分達で解決をしなくてはいけません。
解決ができない場合は、そのまま契約破棄となってしまったり、後に揉める原因になったりする可能性もあります。
デメリット3:手間と時間がかかる
不動産会社がサポートしてくれる仲介と違い、個人間売買ではすべての手続きや書類の作成・収集を自分で行わなくてはいけません。
不動産売買は何度も経験するものではないため、流れや手続きを一つひとつ調べながら、進めていく必要があり、大変時間と手間がかかります。
当初は個人間で売買契約をしようと進めていても、いざ契約となると手続きの難易度や不安な点が発生するなどし、やはり不動産会社に仲介を依頼するケースもあるくらいです。
個人間での不動産売買の流れと必要書類
不動産売買を個人間で行う場合は、自分で必要書類を揃えて、手続きをしなくてはいけません。
売買の流れとともに必要な書類について、今回は売主側の視点でご紹介していきます。
【個人間の不動産売買の流れ】
①不動産の売買相場を把握して売り出し価格を決める
売りたい不動産がどのくらいの価格で取引されているのか、国土交通省の土地総合情報システムや不動産情報サイトなどで調べて把握し、売り出し価格を決定します。
②買主を見つける
買主が決まっていない場合は自分で探す必要があります。
知人へ打診したり、個人間売買のマッチングサイトなどに登録したりして、買主を見つけましょう。
個人間売買をしようとするケースの多くは、知り合いや親戚、隣地の方と売買する場合が多いようです。
③必要書類を作成・収集する
不動産の個人間売買では、次のような書類が必要です。
<作成するもの>
売買契約書
<収集するもの>
- 土地・建物登記済証(権利証)または登記識別情報
- 登記簿謄本(全部事項証明書)
- 公図・測量図・建物図面など
- 固定資産税課税証明書
- 固定資産税・都市計画税納税通知書
- 印鑑証明書(発行日から3カ月以内のもの)
- 本人確認書類
- 建築確認通知書を検査済証(建物がある場合)
- 境界確認書・耐震診断書・地盤沈下調査に関する書類・住宅性能評価書など(各種診断・評価を行った場合)
- マンション管理規約・管理組合の総会議事録・パンフレット・大規模修繕予定表など(マンションの場合)
売買契約書には、「売買の目的物および売買代金」や「売買代金の支払いの時期」「売買対象面積」などの必要事項を記載し、自分で作成します。
インターネットでダウンロードできる売買契約書のひな形をもとに、作成すると良いでしょう。
なお、買主は売買を進めていく中で、「領収書」「振込票のコピー」「印鑑証明書」「本人確認書類」が必要になります。
④売買契約を締結する
現地確認や物件の内見などを行い、売主と買主の双方が納得できたら、売買契約書において売買契約を締結します。
個人間売買であっても印紙税は治めなければならないため、売主・買主ともに、売買金額に応じた収入印紙の貼付が必要です。
⑤代金入金確認・引き渡しを行う
買主は代金を振り込みます。
売主は入金を確認したら、その日のうちに契約書などの書類と、あれば建物の鍵の引渡しを行い、さらに所有権移転登記申請を行います。
以上で、不動産の個人間売買は完了します。
なお、売主は今回の売買で利益が生じた場合は確定申告が必要になりますので、忘れないよう注意しましょう。
不動産売買を個人間で行うならここに注意!
不動産売買の個人間取引では、仲介手数料がかからないなどメリットはあるものの、トラブルを避けるためにも注意しなくてはいけないことがあります。
まず、売り出し価格には注意が必要です。
相場とあまりにもかけ離れた価格だと、売主と買主の間でトラブルが起きる要因となることも。
また、親族だからといって相場よりも非常に安い価格で売買してしまうと、「みなし贈与」とみなされて、膨大な贈与税が発生してしまう恐れがあります。
ただし、「○○円以下の売買は贈与」という決まりはあるわけではなく、時価や売買額の差額によって判断されますので、売買価格に不安がある場合は税理士などに相談することをおすすめします。
また、不動産の売買では、買主が売主に対して責任追及を行える「契約不適合責任」が存在します。
これは、雨漏りやシロアリなどの欠陥があった場合、売主が売買契約書に記載せず不動産を引き渡すと、買主は引き渡し後でも損害賠償などを請求できるというものです。
売主に悪意はなくても、個人間取引の場合は自分では気づいていない欠陥がある場合もあり、トラブルに発展することも。
個人間売買のデメリットでもご紹介した通り、不動産会社などを通さない個人間の売買契約におけるトラブルは頻発しています。
トラブルを避けてスムーズな売買を行いたいという方は、不動産会社などプロによる仲介を依頼した方が安心でしょう。
不動産売買の個人間取引は可能!ただしトラブルには注意を
不動産売買を個人間で行うのは可能です。
しかし、個人間売買では不動産会社などプロのサポートを受けることなく、すべての手続きを自分で行わなくてはいけません。
個人間取引は「仲介手数料がかからない」「スケジュールが調整しやすい」といったメリットはあるものの、「住宅ローンの利用が難しい」「手間と時間がかかる」といったデメリットもあります。
中でも注意が必要なのが、売買取引におけるトラブル。
とくに買主が売主に対して責任追及を行える「契約不適合責任」を理解・対策しておかないと、売主が不動産の欠陥を見逃したことにより、契約後のトラブルに発展することも。
トラブルを避けてスムーズな売買を行いたいという方は、不動産会社などプロによる仲介を依頼することをおすすめします。
札幌市南区・北広島・恵庭で不動産の売却・購入を検討しているという方は、八城地建にぜひ一度お問い合わせください!